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【年代別】発達が気になる子どもに、今いちばん大切にしたいこと

  • 10 分前
  • 読了時間: 8分

こんにちは。ミライこどもケア訪問看護ステーションの所長の立石です。

私たちミライこどもケアでは、発達障害のお子さんや不登校のお子さんへの支援を訪問看護で行っております。


0歳から年齢の制限なくずっとサポートできることを大切にして支援を行っています。

そんな私たちですが、今回はよく質問される「年代別」の特性のあるお子さんの特徴をまとめてみました。


「うちの子、ちょっと周りと違うかも」 「保育園や学校で困っているみたいだけど、どう関わればいいんだろう」


発達が気になるお子さんを育てていると、こんな不安がふとよぎる瞬間があると思います。特に難しいのは、成長するにつれて子どもの困りごとも、親としての関わり方も変わっていくこと。「幼児期にうまくいっていたやり方」が、小学生になると通用しなくなる。そんなこともよくあります。


今回は、幼児期・小学生・中学生以降という3つの時期に分けて、それぞれの時期に大切にしたいことを整理してみました。「今、我が子はどの時期にいるんだろう」「次の時期に向けて何を準備しておけばいいんだろう」と考えるヒントになればうれしいです。



幼児期:「できた」の積み重ねが、その先の力になる


幼児期の関わりで一番大切なのは、「トラブル回避」を最優先にしながら、「できた」という感覚をコツコツ積み重ねていくことです。

気になることがあると、「みんなと同じようにできるようになってほしい」「苦手なことを早めに克服させたい」という気持ちが出てくるのは、とても自然なことだと思います。でも、苦手なことをくり返し練習させすぎると、お子さんは「できないこと」ばかりに向き合うことになり、逆に自信を失うきっかけになってしまうこともあります。


この時期は、お子さんが好きなこと・得意なことをのびのびやれる環境を整えてあげることのほうが大切です。そして、困ったときに周りの大人に頼って上手くいった、という経験を積むこと。この「頼って助けてもらえた」という体験は、将来にわたって大きな力になります。


保育園・幼稚園・こども園は、家庭とはまったく違う「集団生活」の環境です。給食やおやつ、一斉指示、順番待ち、自由遊びの時間など、家では経験しないルールや刺激がたくさんあります。この環境の変化が、神経発達症のあるお子さんにとっては困りごとにつながることも少なくありません。


言葉の習得がゆっくりだったり、かんしゃくが強かったり、大きな音や特定の感触を極端に嫌がったり——こうした様子が見られたときは、「伝わりやすい声かけの仕方」や「安心できる環境づくり」を工夫し、「わかってもらえた」「できた」という経験を増やしていくことがポイントです。


診断がついていなくても、相談や支援は受けられます。「様子を見よう」で先延ばしにせず、心配なことがあれば地域の保健センターや子育て支援の窓口に相談してみることをおすすめします。早い時期からお子さんの特性に合った関わりを始めることで、本来持っている力が引き出されやすくなります。


また、療育とは「周りの子と同じことができるようになるための訓練施設」ではなく、お子さんの育ちのコツやヒントを専門的に一緒に探してくれる場所です。診断を待たずに、困りごとや関わり方についての相談から始めてみるのも一つの方法です。



小学生:「自分にもできる」という手ごたえを大切に


小学校に入ると、生活・学習・友だち関係など、求められることが一気に増えます。この時期に大切なのは、お子さんに合ったやり方を一緒に見つけ、周囲のサポートも借りながら、できる形に工夫して取り組んでいくことです。小さな成功でも「自分にもできた」と本人が感じられることが、その先の生活を支える力になります。


身支度や食事、持ち物の管理などの生活習慣は、みんなと同じ方法である必要はありません。「自分なりのやり方」で安定してできることを目指すのが大切です。そして、困ったときに周りの大人に「助けて」と言い、実際に助けてもらえて上手くいった、という経験もぜひ積んでほしいところ。人に頼ることは、社会の中で生きていくための大事な力のひとつです。


一方で、危険なことや人間関係での最低限守るべき社会のルールについては、この時期にきちんと教えることも大切な役割です。ただし、ルールは曖昧なまま「空気を読んで」伝えるのではなく、具体的に分かりやすく伝えるようにしましょう。お子さんと話し合い、納得の上で決めることが、自分から守ろうとする意欲につながります。


この時期に起こりやすいこととして、登校しぶりや原因のわからない腹痛・頭痛の訴え、忘れ物や気の散りやすさ、読み書き・計算など特定の領域の難しさ、いじめや人間関係のトラブルなどが挙げられます。


こうした様子が見られたときの対応のポイントは3つです。

まず、周りと同じようにできることを目指すのではなく、人より秀でていなくても「できた」「楽しい」「嬉しい」と感じられる体験を増やすこと。

次に、お子さんが困りごとや悩みを話してくれたときは、まず本人の話にしっかり耳を傾けること。周囲から見ると独特であっても、本人なりの理由や理屈があります。すぐに解決できなくても、「分かってもらえた」という体験は本人に残ります。

そして、何をやるにしても、お子さんの気持ちを尊重し「この子に合う形」を親子で話し合いながら決めていくこと。この積み重ねが、困ったときに周りへ「助けて」と言える力を育てていきます。



中学生以降:「支援付き試行錯誤」で、自分の人生を歩む力を


中学生以降は、心と身体の変化が大きく、「自分はどうありたいか」を考え始める時期です。自分の気持ちや悩みを言葉にするのが難しく、イライラしたり不安を感じやすくなったりするため、早めに相談できる手段を確保しておくことが大切になります。


この時期のキーワードは「支援付き試行錯誤」(信州大学・本田秀夫先生の言葉)です。命の危険や金銭トラブル、法的な問題などの大きな事態は防ぐ必要がありますが、それ以外は本人の自己決定を基本に、現実的な範囲でやりたいことに挑戦させてあげることが大切です。もちろん上手くいかないこともありますが、失敗は悪いことではありません。自分のことを自分で決め、失敗から学び、現実と折り合いをつけていく経験こそが、この時期にはより大切なのです。


そのために、親の役割も変えていく必要があります。先回りして正解を教えるのではなく、試行錯誤する本人を陰ながら支える「黒子」のようなイメージです。ハラハラしながらも見守るのは、手を出すこと以上に大変かもしれません。失敗することもありますが、本人を責めず、次にどうするかを一緒に話し合えることが大切です。


グループのノリについていけず浮いてしまう、冗談や皮肉がわからずからかいの対象になる、計画的に勉強できない、ゲームやSNSに没頭してやめられない、朝起きられず昼夜逆転してしまう、将来や人間関係についての不安から気分が落ち込む——こうした困りごとが起こりやすいのもこの時期の特徴です。


対応のポイントは、危険なことや法的な問題がなければ、本人がやりたいことには現実的な範囲で挑戦させてみること。上手くいかなくても、本人の納得につながり、自分を理解する手がかりになります。またこの時期は、子どもから大人への支援に移っていく節目でもあります。「もう大きくなったから」と支援を切らず、専門家や支援機関とのつながりを持ち続けられるようにしておくことも大切です。


自立とは「一人でできること」ではない


自立というと「何でも一人でできるようになること」を思い浮かべるかもしれませんが、それは誤解です。自分の得意なこと・苦手なことを理解し、人や制度の力を借りて助けてもらうこと——これも自立の大切な一部です。


「親のやらせたいこと」と「子どものやりたいこと」は違うことがあります。大事なのは、本人ができることを見極め、心身の健康が守られるような生き方・働き方をしていくこと。少しずつ情報収集や相談をしながら、本人や専門家と話し合っていくことが望まれます。


そして中高生本人に伝えたいのは、「困ったときに『助けて』と言えることは、とても大切な力」だということ。「こんなこと相談していいのかな」と思わなくても大丈夫。話を聞いてくれる人が一人でもいれば、それだけで力になります。家族かもしれないし、友だち、趣味の仲間、先生かもしれない。「この人なら、ありのままの自分でいられる」と思える人を、あせらずゆっくり探していけたらいいですね。


まとめ:年代が変わっても、変わらない大切なこと


幼児期は「できた」の積み重ね、小学生は「自分にもできる」という手ごたえ、中学生以降は「支援付き試行錯誤」——それぞれの時期でキーワードは変わりますが、根っこにある考え方は一貫しています。


それは、「周りと同じようにできること」を目指すのではなく、お子さん自身に合った関わり方を、周囲の大人や専門家と一緒に見つけていくこと。そして、困ったときに「助けて」と言い、実際に助けてもらえた経験を積み重ねていくことです。


診断の有無にかかわらず、少しでも気になることや困っていることがあれば、まずは相談することから始めてみてください。お子さんの成長のペースに寄り添いながら、一つひとつの「できた」を一緒に積み重ねていきましょう。

 
 
 

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